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【書評】VUCAの時代を生き抜く思考法!「思考をやわらかくする授業」を読む

【書評】本田直之『思考をやわらかくする授業』(サンクチュアリ出版) 書評

現代はVUCAの時代といわれるようになりました。VUCAとは、変動(Volatility)が大きく、不確実(Uncertainty)であり、諸要因が複雑(Complexity)に関連し、先行き不透明で曖昧(Ambiguity)ということ。

2020年初に世界的に広がった新型コロナウィルス感染症の波は、このVUCAの時代の世の中の変化をさらに強く後押しし、在宅勤務やオンラインミーティングを急激に進めました。

このように、たった数年前の常識が現在の非常識となる時代に、今後どのように生き抜いていけばよいのだろうか?と不安に感じる方も多いことと思います。そこで今回ご紹介するのが、本田直之氏の『思考をやわらかくする授業(サンクチュアリ出版)』。

本書は61の言葉で発想の転換を促す一冊です。特に、これからの人生について考え始める10代や20代の若者に最適な本といえるでしょう。

序盤はさながらパワーポイントで作られた資料のようで、メッセージ内容が視覚的に分かりやすく伝わってきます。読書が苦手な方向けに工夫を凝らした本を制作するサンクチュアリ出版ならではですね!

本書のなかで、特に心に残った内容を取り上げてみました。一緒に見ていきましょう!

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こんな方におすすめ

  • 本を読む時間がなかなかとれないが、一歩前に進みたい方
  • 変化の多い時代に適用する力を付けたい方
  • 自由に生きていきたい方

Lesson02:旅のように生きる。

 自由な日々を過ごしたい、というのなら簡単だ。
 旅のように過ごせばいい。
 旅には時間の区切りがあるから、一生懸命になる。
 区切りの中をできるだけ充実させたいから、事前に準備もするし、調べたりもするし、一つひとつの物事に喜びを感じようとする。

引用元:本田直之『思考をやわらかくする授業』(サンクチュアリ出版)

お金をたくさん得ること、上場企業に入社すること、家族を大切にすること、社会に認められること。成功の定義は人それぞれです。

・○歳までに結婚する。
・○年後に海外留学する。
・社会人○年目までに独立して事業を興す。
・○歳までに子どもを○人出産する。

ただし、世の中の成功者と言われる方たちは、事前に掲げた目標の達成に向けて熱心に努力していることが多いです。そして、その目標にはだいたい期限が設定されているものです。

何歳になってもチャレンジする気持ちを持つことは大切です。しかし、年齢を重ねれば、育児や介護で家族に時間を費やすことが増えていくことが一般的です。そうした状況下で、20代の頃に考えていた時間感覚で新しいことにチャレンジするならば、何かを犠牲にする必要も出てくることでしょう。

自戒をこめてですが…、私も「いつか大学院に生きたいな~」と思っていたのですが、その後実家の整理や要介護認定を受けた親の見守りに時間を取られ続け、結局「大学院に行くぞ!」という夢を抱いたまま行動に移せていません。

もし、「○歳に入学して○歳に卒業」という形で具体的に期限を切っていたら、もっと真剣に毎日を生きていたのではないかと思うのです。いま夢見ていることが、将来同じ条件下で実現できるとは限りません。いますぐにでも着手できるものは、先々の不確定さを見据えてまずは情報収集してみましょう。

Lesson17:「普通の人」には嫌われろ。

 百貨店のように、「なんでもそろえている」ものは衰えはじめている。
 わざわざ「そこそこ欲しいもの」を選ばなくたって、「自分が強烈に欲しいと思えるもの」を見つけられるような時代になったからだ。
 人も同じこと。
 みんなに喜ばれそうな人、いわゆる「優秀な人材」の存在価値は下がる一方だ。
 誰にも嫌われないように生きている人は、つまり誰も欲しいとは思わない。

引用元:本田直之『思考をやわらかくする授業』(サンクチュアリ出版)

2013年に出版された岸見一郎氏と古賀史健氏との共著『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え(ダイヤモンド社)』という本がたいへんなベストセラーになりました。続編の『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII 』(ダイヤモンド社)』と併せて、シリーズ累計で900万部(2022年9月現在)も売れているということです。

この本が出版されるよりもずっと前に大学生だった私は、サークルの先輩がこう話しているのを耳にしたことを思い出します。

先輩
先輩

△△ちゃんがさ、絶対に誰にも嫌われたくないっていうんだよね。

皆に好かれたいって。

でも、そんなのありえないよね?

誰にも絶対に嫌われない人っているのかな?

先輩が話題の中心にあげていた△△ちゃんという方は私の知らない方でしたが、私は先輩の言葉に心の中で深く頷いていました。冷たい言い方をしてしまえば、誰にも嫌われたくないと思って生きている人は、その八方美人が他人から嫌われる根拠となっていることが多いです。

嫌われる勇気を持つことで、この八方美人に変化が生まれます。必ずしも尖った人間になる必要はありません。その人らしさが出てきて、魅力が増すということです。

顔の見えない「普通の人」に好かれようと生きるのではなく、自分らしさを受け入れてくれる「少数の人」に好かれる方が、余計なものに縛られず軽い気持ちで生きていけるはずでしょう。

Lesson41:「捨てられないもの」の大半はなくしても気づかない。

 部屋にモノが増えていくと、思考がまとまらなくなってくる。
 とっておくべきか迷ったモノは、無条件に捨てた方がいい。
 3秒以上考えない。いつの日か使うかもとも考えない。いつの日かは、まずやってこないし、もしもそういう日がきたら、そのときに考えればいい。

引用元:本田直之『思考をやわらかくする授業』(サンクチュアリ出版)

祖父が他界した後、残されたモノの整理をしているなか気づいたことがあります。「人はなぜ、こんなに不要なものをため込んでしまうのか」ということです。

たとえば、未使用の割り箸や綿棒、乾電池、ボールペン、詰め替え用のシャンプー。

どれも生前の祖父が日常的に使っていたモノたちですが、1年そこらでは明らかに使いきれないほど大量に発見されました。詰め替え用のシャンプーは廃棄せず私が使うことにしたのですが、ミディアムヘアでも使い切るまでには1年以上かかりました。

「いつかは使うかも」という予測は正しいでしょう。しかし、その「いつか」のために大量にモノを保管しておくと、掃除の邪魔にもなりますし他の必要なモノを置くことが出来ません。一方で、本当に大切なものはタンスの奥深くにしまわれており、なかなか見つからないという事態を招きます。

「いつか使うもの」を結局使わずにいくつも保管しているということは、過去に保管したという事実がすっかり記憶にないということの証左なのだと思います。

現在進行形で断捨離を進めていますが、だんだん視界がクリアになってきた感じがあります。空気の循環も良くなりますし、目に入るモノが少なくなることで思考が散らからずにすみます。今後も継続してモノの要不要を見極めていこうと思います。

関連書籍

  • 本田直之『レバレッジ英語勉強法』(中経出版):初めて読んだ本田直之氏の著書はこちら。『レバレッジ〇〇』という形でシリーズ化されており、英語の勉強法を振り返る目的で読みました。一定期間、局所的な範囲に絞って使いこなせるレベルの英語を徹底的に叩き込むことの大切さを説きます。

  • 岸見一郎(著)、古賀史健(著)『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社):アドラー入門に最適と思います。堅苦しくない物語形式なのでとても読みやすく、長い間ランキング上位に挙げられているのも納得です。

  • 岸見一郎(著)、古賀史健(著)『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII』(ダイヤモンド社):『嫌われる勇気』の続編。引き続き物語形式なので読みやすいです。アドラーは自立を促しています。幸せになるためには自分自身の覚悟が必要なのかもしれません。

  • 本田健『30代にしておきたい17のこと』(大和書房):本書と少しリンクする部分があります。記事にしましたので宜しければご覧ください。

最後までお読みいただき有り難うございました!


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