本ページにはPRが含まれます。

【書評】自分探しの旅に終止符を打つ!「世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方」を読む

【書評】八木仁平『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』(KADOKAWA) 書評

大学生活も終わりに近づけば、その先は…就職活動。このタイミングになって初めて「働く」ということを意識し、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)で悩む学生は例年多いのではないでしょうか。

自分の「やりたいこと」って何だろう?このシンプルな問いにすぐに答えられないのは、学生だけではありません。実は、すでに社会に出て活躍している先輩たちも、同じような自分探しの迷路に迷い込んでいることが少なくないのです。

今回は、オリエンタルラジオの中田敦彦さんがYouTubeで取り上げたことでも知られる八木仁平氏の著書をご紹介します。

スポンサーリンク

こんな方にオススメ

  • 就職活動中の学生
  • 20代社会人
  • 何度か転職を繰り返しているが、しっくりくる仕事が見つからない方

この本の特長

この本を読むと、以下の効果が実感できます。

  • 「やりたいこと」という言葉の定義を分解して、自己理解を深める
  • いくつかの質問に答えるだけで自分だけの価値観などが分かる
  • セミナーに参加するよりも費用対効果が高い

詳しく記述するとネタばらしになってしまうのでここでは自重しますが、「今後どうしたらいいかわからない。途方に暮れている」という方には、高額セミナーに申し込む前にまずこの本を手にとってもらいたいと思います。

そもそも「やりたいこと」という曖昧な表現ではなかなか自分探しも進まないでしょう。本書では、まずこの「やりたいこと」の定義を分解して何から始めたら良いかを示しています。

定義を明確にしたあと、本書では簡単な質問がいくつか示されます。そして、自分の人生を振り返ってその回答をするだけで自分独自の個性などが明確になってくる、という構成になっています。

真剣に回答しようと思えば思うほど時間はかかりますが、セミナーに数千円支払うよりも、定価1,400円の本書に取り組む方が圧倒的にコスパがよいです。著者は元々ブロガーとして生計を立てていた八木仁平氏ですので、読書に不慣れな方でもサクサク読みやすく、語りかけるような文章となっています。

図書館から借りて無料で読むという選択肢もあるでしょう。人気の本なので予約も多く、実際に借りられるまで時間がかかるかもしれませんが、地域の図書館で在庫を確認してみるのも良いと思います。

「やりたいこと」探しで行方不明になる現代

そもそも、なぜ私たちは「やりたいこと」が見つからずに悩んでしまうのでしょう?これは、私たちの生活がどんどん豊かになっているからではないかと思います。

たとえば、近代以前であれば飢饉が発生し、今日明日の食事にありつけない可能性というものが常に存在していました。もちろん、現代においても貧困は存在し、こうした最低限の食事ができない人もいます。しかし、この日本においては社会福祉が整えられ、災害という異常時でも食糧を提供してもらえる可能性が高いです。

マズローの欲求5段階説によれば、こうした最低限の生活を送るための欲求が第1欲求に該当します。実際、明日食べられるかどうかが不安な状態では、「やりたいことが分からない」と悩む余地は無いでしょう。まず食事に対する不安こそ第一に取り除きたいと考えるはずです。

高度経済成長を遂げた1960年代についても考えてみましょう。当時は急激な時代変化のなかで、三種の神器(冷蔵庫・カラーテレビ・洗濯機?)を皆がこぞって求めた時代でもありました。

生活を便利にしてくれるのはもちろんですが、これらの電化製品を持つことで自分の社会的ステータスが上がったことを実感できますし、また隣人たちと同じ社会レベルであることを示したい、という側面もあったのではないかと思います。

わたし
わたし

子どもが両親に買ってもらいたいゲームをおねだりするとき、

みんな持ってるよ!」という言い方をするのとちょっと似ていますね!

先の欲求5段解説によれば、第3欲求である社会的欲求や第4欲求である承認欲求が該当するでしょう。

こうした欲求をすべて満たした最後の段階として第5欲求の自己実現の欲求があるわけです。「私のやりたいことって何だろう…」と悩むことができるというのは、やはり社会が豊かになった証明といえるでしょう。

みんなが洗濯機を持つのはもちろんのこと、二層式にするのか、乾燥機付きにするのか、ドラム式にするのか。その中身をどのように取捨選択するのかが重要な時代になったということです。

最後までお読みいただき有り難うございました!


♪にほんブログ村のランキングに参加中♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
PVアクセスランキング にほんブログ村
タイトルとURLをコピーしました