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【書評】悩んでいるのは自分だけではない!「30代にしておきたい17のこと」を読む

【書評】本田健『30代にしておきたい17のこと』(大和書房) 書評

2020年からのコロナ禍によって、それまで描いていた人生がずいぶん変わった、という方は少なくないことでしょう。年齢に応じて悩みの種類も幅広いものです。

しかし、いま抱えている悩みは新型コロナウィルスだけが原因なのでしょうか?コロナ禍にならずとも直面していた可能性は否定できないですよね。

今回は、大ベストセラー『ユダヤ人大富豪の教え』で著名な本田健氏の著作をご紹介します。その名も、『30代にしておきたい17のこと』です。

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こんな方にオススメ

  • コロナ禍によって人生が変わった方
  • 恋愛、結婚について悩んでいる方
  • 子どもや両親との関わり方について悩んでいる方
  • 今後の仕事やお金について悩んでいる方

悩んでいるのは自分だけではない

コロナ禍以降、日本は大きな転換点を迎えつつある状態です。仕事では在宅勤務が主流になったり、男性の育児休暇取得が推進されたりと、平成の時代には考えられなかったことがどんどん導入されていきました。

私自身、私生活でも大きな変化がありました。父の体調が悪化し、施設へ一時入居して要介護の認定結果を待つ一連の流れのあいだに、90代の祖父が二人、相次いで亡くなりました。

家族の他界と病気に向かい合ったこのとき、

わたし
わたし

自分はもう30代だ。

いつかは病気にもなるし、いずれは死ぬだろう。

これからの人生を豊かに生きていくには、どうしたらよいのだろう…

とはじめて気付きました。自分の年齢と、人生の残り時間を強く意識したのです。

この本を手に取ったのは、ベストセラーをたくさん生み出している本田健氏が、まさに「30代」に焦点を当てて書いた本だったからです。

自分が子どものときに見ていた30代は立派な大人でした。しかし、実際に自分が30代になってみると、中身は子どもの状態のまま社会性を身に着けただけ、という気がするのですよね。

本書冒頭の「はじめにー30代という『分岐点』」に次のような記述があります。

 自分の可能性が幻想的に開くのが10代。
 それを試しながら失望していくのが20代。
 そして30代は、希望と絶望の狭間にいます。
 気の早い人は、もう絶望の岸に渡ってしまったかもしれません。
 無関心な人、無神経な人はまったく現実を見ていないので、まだ希望だけに生きていくこともできるでしょう。
 しかし、30代の大多数の人は、希望と失望、絶望のあいだを行き来していると思います。それは、あなただけでなく、ごく普通のことなのです。
 自分の仕事、お金をどうするのか。
 自分のセクシャリティや身体とどうつき合うのか。
 社会、家族、愛する人とどうつながるのか。
 面倒を見なければならない親や子どもとどうつき合うのか。
 それが30代の課題です。

引用元:本田健『30代にしておきたい17のこと』(大和書房)

いままさに直面中の課題が書かれていて、早くも期待が高まってしまいました。なによりも、「あなただけでなく、ごく普通のことなのです。」という言葉に救われた気持ちがしました。「悩んでいるのは自分だけではないのだ!」と気づかされたのです。

30代は中途半端な才能に悩む

30代ともなれば、職場の後輩に業務内容を教えることもあるでしょう。そのたびに自覚するのが、「自分のような未熟な人間が教えても良いのだろうか?」という不安でした。

しかし、これまで培ってきた経験が業務において全く役に立っていないというわけではありません。それなりに仕事の幅を広げたり深めたりして、一定の成果は出してきたという自負もあります。

確実に進歩はしているのだけれど、自信が持てない。そんな状態で今後、本当に私は大丈夫なのだろうか。

そんなときに読んだ次の文章に、再び救われた気持ちになりました。

 20代のときには、自分に天才的な才能が一つもないことに落ち込みます。
 30代では、中途半端な才能がいっぱいあることに対して落ち込むのです。
 私も、会計、通訳、コーディネーター、コンサルティング、カウンセリングなど、多岐にわたる才能があるにもかかわらず、どれもいい加減な感じがして、「自分はダメだな」と考えていました。

引用元:本田健『30代にしておきたい17のこと』(大和書房)

まずは、「同じような中途半端さに悩んでいたのは私だけではなかったのだ!」と大変驚きました。

わたし
わたし

程度の差はあるのかもしれないけれど、

自分だけではなかったのだ…!

そして、著者自身も悩んでいたというのも驚きました。私は、すっかり自分だけがダメ人間なのかと思って誰にも相談できずにいたのですが、ベストセラーをたくさん生み出す著者も含めて、世の中の多くの30代が同じことで落ち込んでいるというのです。それなら、ずっと自分のことを責め続けてもあまり意味はない、ということに気づきました。

そんな著者が提示する解決策は、「才能のかけ算」です。

 会計も中途半端、通訳も中途半端……。でも、それなら「かけ算」をしていけばいいことにも同時に気づいたのです。そうして実行してみると、自分でも思いがけないほどの結果に恵まれるようになりました。

引用元:本田健『30代にしておきたい17のこと』(大和書房)

人生経験というのは人それぞれ異なることでしょう。興味・関心の向く先も、人それぞれです。そうしたものをさまざま掛け合わせることで、可能性は倍増するとのこと。そして、周囲の多彩な才能を持つ方たちの才能をもかけ合わせることで、大きな結果に繋がるというのです。

少し、気持ちが晴れやかになりますよね。

21世紀最大の悲劇とは

本書で最も心を打たれたのは次の部分です。少し長いですが引用します。

 未来の歴史学者は、「21世紀の最大の悲劇は、人類の大半が嫌いな仕事にしがみついていたことだ」と分析するだろうと、私は考えています。
 未来の人は、私たちが、好きでもない仕事のために、縛られている姿が理解できないでしょう。ですが、そんな理不尽は、身近にいっぱいあります。
 私たちの祖父の時代、大人の男性は、徴兵制によって戦争に行き、知らない人を殺すように命令されていました。いまの感覚では信じられないことです。
 私が小さい頃、戦争を体験した叔父に、「なぜ、行ったのか」と聞いたことがあります。彼はただ「みんな行ったから、しかたなかったんだ」と苦しく、寂しそうに語っていました。そんなに恐ろしい戦場に、みんなが行くからという理由で行っていたのかと、ショックを受けたのを覚えています。

引用元:本田健『30代にしておきたい17のこと』(大和書房)

私も子どもの頃は、戦争に行った兵士がみな愛国心に溢れる人たちだと思いこんでいました。そのため、大人になってからこうした事実を知りとてもビックリしたことを覚えています。

少年兵のなかには「兵士になればご飯が食べられると思ったから」という理由で志願した貧しい農家の若者がいたということも聞きました。「義理の母親との折り合いが悪かったから」という理由も耳にしたことがあります。いずれも国を憂いての行動というよりは、他の何かから逃れるための従軍でした。

著者が述べているように、未来の歴史学者は「21世紀の最大の悲劇は、人類の大半が嫌いな仕事にしがみついていたことだ」と語るかもしれません。自分が本当にやりたい仕事とは何なのだろうか。深く考えさせられるエピソードでした。

関連書籍

  • 本田健『20代にしておきたい17のこと』(大和書房):今回ご紹介した30代向けの本よりも前に出版されたのがこちら。

  • 本田健『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房):本田健氏といえば本書が最も有名でしょう。お金にまつわるテッパン本でもあります。

最後までお読みいただき有り難うございました!


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