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【書評】アラサー女子へのお悩み相談記録!「三十路女は分が悪い」を読む

【書評】壇蜜『三十路女は分が悪い』(中央公論新社) 書評

皆さんは、タイトルを見て「自分にドンピシャ!(死語?)」と感じた本はあるでしょうか?

私は30代前半の女性なのですが、この「自分にドンピシャ!」だったのが今回ご紹介する一冊です。

古風で妖艶なグラビア女優、壇蜜さん。読売新聞のWEBサイト「OTEKOMACHI」にて、お悩み相談アドバイザーとしても活動されています。今回ご紹介する本は、2017年4月~2020年8月まで連載された「お悩み相談」への壇蜜さんの回答を収録したものです。

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試し読みできます!

中央公論新社さんの特設ページから、20ページ分お試しで読むことができます。

壇蜜とは

もはや知らない人はいないのではないか?と思われるほど有名ですが、そのデビューまでの人生はあまり知られていないかもしれません。

壇蜜さんは遅咲きのグラビアアイドルとして29歳に世に放たれました。ちなみに、「壇蜜」という名前はもちろん本名ではありません。命名の由来なども本書の「三十路を超える歳になり」という章にて、ご自身の言葉で書かれているのですが、概略をまとめてみます。

秋田県にて出生後、東京都世田谷区にて育ち、昭和女子大学付属小学校から大学までエスカレーター式に進学。就職氷河期真っ只中ということもあり、就職活動では大変苦労したようです。その後、資金作りのためにホステス業などをこなしながら、調理師免許の取得に向けて勉強、取得していざビジネス開始!という段になってビジネスパートナーである母の友人が病死。打開策としてエンバーマー(遺体衛生保全士)の勉強に励み、実際に大学病院で職を得ます。

ちょうどエンバーマーの勉強中、「龍が如く4」にてオーディションに合格してキャバ嬢役で出演します。このあたりから、あれよあれよとグラビアアイドルへの道を進んでいくことになりました。

三十路女の分の悪さ

「自分にドンピシャ!」だったこの書名ですが、私を含めた世の中の多くの方に共感を得られるのではないでしょうか?冒頭の「はじめに」にはこんな記述があります。

三十路女はなかなか分が悪いのです。

やることも、考えることも多く、年齢にも甘えられない。「女」を出しても出さなくても怒られるし、こちらが怒ると、「これだから女はヒステリーだ」と言われる。男性からも、女性からも怒られる理由がいっぱいある。こちらは何もしていないのに。

引用元:壇蜜『三十路女は分が悪い』(中央公論新社)

そう、30代の女性というのは分が悪い。全く駄目だという訳ではないし、逆に希望と楽しみで溢れている訳でもないのです。

独身であれば「いい人はいないの?」、結婚すれば「早く孫の顔が見たいわ」、仕事に邁進すれば「今日のご飯、まだ?」「職場の柱となって頑張ってほしい」、などなど。一定の責任がのしかかるなかで理想と現実の間を揺れ動いているのです。

相談者たちの相談内容

いわゆるアラサーにありがちな、お悩みがワンサカ掲載されています。恋愛、結婚、仕事、将来…友人の誰かが投稿したのでは?と読み手の私もざわつく相談内容ばかりです。そして、こうした相談内容に対する壇蜜さんの回答は相談者さんの心のうちを見透かしているようでいて奥深く、味わいがあります。

たとえば、「5年付き合っている彼のことが、好きか分からない」という切実な相談には以下のとおり。

もうすぐ30歳になります。私には付き合って約5年の彼氏がいます。彼と一緒になりたくて、地元から離れて就職をし、同棲しています。ですが、最近結婚しようか別れようか迷っています。
(中略)
彼の好きなところもあるけど、嫌いなところの方が最近はよく見えてしまっています。結婚すべきか、別れるべきかアドバイスください!
(ハンドルネーム・さくら)

引用元:壇蜜『三十路女は分が悪い』(中央公論新社)

そして、壇蜜さんの回答はこちら。

まずは、もっといい人を探す、見つけるというのは、一旦置いておきましょう。もっといい人は「創作する」ものです。今の彼でも、未来の新たな彼でも、さくらさんにとっての「素敵な、私だけの貴方」は創作できるのです。
(中略)
とりあえず半年~1年を創作のための修行時間として、ニヤニヤしめしめと過ごしてみませんか。強くなりますよ。

引用元:壇蜜『三十路女は分が悪い』(中央公論新社)

「そ、創作・・!!なるほどね!」と視界が開けた思いです。壇蜜さんの言葉の使い方には品がありながらも、芯というか…強かさのようなものを感じさせます。全編を通して、こういう言葉遣いに心を鷲掴みにされる読者は多いのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき有難うございました!


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