断捨離の本を探していると、専業主婦の目線から語られる書籍が多いことに気が付きます。
玄関から台所回りまで、主婦ならではの観点で記述された片づけ方は女性の私にとって大変参考になる点が多いのですが、バリバリ働く男性の方にとっては少し物足りないものがあるかもしれませんね。
今回ご紹介するのは、男性目線で語られる片づけ方です。本書はリサーチャーとして働く著者、たっく氏による書籍。個人出版の電子書籍『必要十分生活』がベストセラーとなり、その後大和書房から出版されました。それでは早速、見ていきましょう!
こんな方にオススメ
- ミニマリストを目指す方
- ロジカルに断捨離していきたい方
- 片づけが苦手な人の断捨離成功例を知りたい方
必要十分生活とは
さて、本書のタイトルとなっている「必要十分生活」とは一体どういう意味でしょうか?
本書で提案する「必要十分生活」とは、物がこれ以上増えると余計だし、これより少ないと生活に困る、という状態のことです。
引用元:たっく『必要十分生活―少ないモノで気分爽快に生きるコツ』(大和書房)
数学の授業で聞いたことがある方もいるかもしれません。生活を型にはめるのではなく、自分の価値観に合わせたルールを作って、「必要十分な状態を作る」のが本書の目的です。
「はるか遠い昔、数学の授業で習ったような…」という方もいらっしゃるかもしれません。必要十分な状態とは、物が余りもせず不足もしていない状態のこと。一時的に物余りや物不足の状態に陥ったとしても、すみやかに必要十分な状態に落ち着くことができるのが必要十分生活です。
「断捨離に関するノウハウ本を何冊も読んだけれど、自分にはちょっとやり方が合わなかったな…」という経験を誰しもお持ちではないでしょうか。もしかしたら、そこで紹介されていたノウハウというのは、自分の価値観に見合ったルールではなかったのかもしれません。
そんなあなたに、自分なりのルールを作るうえで「今までなんとなくやっていたその習慣って本当に必要なの?」と発想の転換を促してくれるのが本書です。
実は、著者自身も片づけが苦手だったことを告白しています。たとえば、職場の風景としてはこちら。
(前略)昔の私のデスクはなかなか壮観でした。デスクの上に書類がピサの斜塔のように積み上がり(時々崩れていました)、引き出しには筆記用具や文房具がぎっしり入っていて、終わった会議の書類がキャビネットに敷き詰められていて、ロッカーには2本の傘と、埃だらけになった予備のシャツが置かれていました。10人ほどいた会社の同期のなかでも、かなり汚い方だったと思います。
引用元:たっく『必要十分生活―少ないモノで気分爽快に生きるコツ』(大和書房)
職場あるあるですよね!
男女問わず、こういう同期が何人かいたな~。
私自身の執務環境はここまでの状態ではありません。著者の激変ぶりに背中を押されて、ページをどんどんめくってしまいます。
浴室はホテルを目指す
著者は、浴室の中と外で使うクレンジング剤などは、浴室の外に置くよう提案しています。徹底的に浴室内のモノを減らそう、ということです。なぜか?
なぜここまで浴室に置く物を減らすかというと、浴室を毎日洗うからです。「風呂場くらい毎日洗っているよ」とお思いでしょうが、本当に全部洗っているでしょうか?浴槽をシャシャッと洗って、あとは少し汚れている蛇口周りを洗って、おしまい、というご家庭が多いのではないかと思います。
引用元:たっく『必要十分生活―少ないモノで気分爽快に生きるコツ』(大和書房)
私の場合は、本当に全部洗うのです。スポンジで浴槽や蛇口はもちろん、浴室の壁、シャンプーなどのボトル、髪の毛がからまる排水口もすべて分解して洗うのです。そのため、浴室に置く物は徹底的に減らします。
著者は、なんと壁に付いている水滴もタオルで拭き取ると語ります。
実は、私も一人暮らしをしていた時代に、著者と同じく浴槽のすべての壁・床について毎日水滴を拭き取る習慣を持っていました。だからこそわかります。浴室のモノを減らして毎日掃除し、水分を拭き取ることでカビの発生はかなり抑えられます。
そして、シャンプーやコンディショナーは詰め替え用を吊り下げて使っていました。
「詰め替えそのままホルダー」などと検索するといろいろ商品が見つかります。私は、こちらのオレンジと黄色を愛用しています。お使いのシャンプーに似合うカラーのものを購入するのが良いかと思います。浴室内にも無駄なモノが増えなかったし、個人的にオススメです!
著者の方針に則ると、クレンジング剤やタオル、カミソリなどは使用時に都度浴室内に持っていく必要がありますね。ただ、その面倒を大きく上回るメリットがあることは確かです。
私自身も、そのように必要品を都度持ち込んで入浴するという習慣がありました。数年経っても綺麗な状態を維持できたので、最終立ち会いの日には業者の方に大変驚かれたことを思い出します。
スプレー缶は買わない
本書を読みながら最も深く共感したのは、「スプレー缶は買わない」という項です。
私は、スプレー缶を極力買わないことにしています。なぜなら、捨てるのが面倒だからです。以前は、捨てることを特に考えずに、必要なものがスプレー缶で売られていたら購入していました。
引用元:たっく『必要十分生活―少ないモノで気分爽快に生きるコツ』(大和書房)
しかしある時に、それらのスプレー缶を大量に処分することになりました。使い切る前にスプレー缶を捨てるためには、中身をすべて出し切る必要があります。自然に使い切るならいいのですが、途中で捨てるのはものすごく大変です。人のいないところへ行って、まわりに撒かないように袋の中に噴射し続けないといけないのです。しかも、地域によっては最後に穴を開ける必要があります。
結局10本近くのスプレー缶を廃棄するために、2~3時間かかりました。その一件があって以来、スプレー缶は極力買わないようにしています。
まさしくその当時、遺品整理中に大量のスプレー缶を発見して、処分方法に悩んでいたところだったのです。スプレー缶の廃棄方法については自治体によって細かな違いがあるかとは思いますが、廃棄する際に中身を使い切るという点はおそらくどこの自治体も同じでしょう。
私も、実体験を通して今後はスプレー缶を極力購入しないぞ!と強く決意しました。断捨離に取りかかる多くの方が経験する事実とは思いますが、これから自宅の整理に取りかかるという方には特に強調してお伝えしておきたい点です。
関連書籍
- やましたひでこ『1日5分からの断捨離―モノが減ると、時間が増える』(大和書房):お祭り気分で一気にお片付けするのが性に合わない方は、こちらの本が大変参考になると思います。実際、私もこの本を読んでからなんと6ヶ月以上、毎日の断捨離を継続できています!千里の道も一歩から。断捨離は毎日5分から進めていきましょう。記事にしましたので宜しければご覧ください。
- グレッグ・マキューン(著)、高橋璃子(訳)『エッセンシャル思考』(かんき出版):シンプル・イズ・ザ・ベストな思考法を奨める良書。必要のない仕事、必要のないお愛想、急ぎの用件だけど重要度の低い作業。無駄を省くだけでなく「大切なことを見極める」ということの難しさを実感します。
最後までお読みいただき有り難うございました!
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