情報過多の時代。
毎日たくさん流れてくるニュースやSNSの通知に追われることが多くなりました。インプット量が多い一方、なかなかアウトプットに繋げられていない自分がいる…という方は少なくないことでしょう。
今回は、仮想ライブ空間を提供する株式会社SHOWROOMの創業者、前田裕二氏による大ベストセラー『メモの魔力』をご紹介します。
さっそく実践
本書の目次を紹介しましょう。詳細は序章に記されているのですが、メモを習慣化することで次のような効能があることが本書では示されていきます。
序章 「メモの魔力」を持てば世界に敵はいない
第一章 メモで日常をアイデアに変える
第二章 メモで思考を深める
第三章 メモで自分を知る
第四章 メモで夢をかなえる
第五章 メモは生き方である
終章 ペンをとれ。メモをしろ。そして人生を、世界を変えよう
これが…読み進めるにつれてメモしたい気持ちを抑えられなくなってしまうこと請け合いなのです。なかでも、自分もメモしよう!という具体的な行動に繋がり心に刺さった一文はこちら。
ここで、最初に強調しておきたい大切な価値観があります。それは、「メモは姿勢である」、ということです。
引用元:前田裕二『メモの魔力』(幻冬舎)
本書では著者が日々使用しているメモのフォーマットを紹介しているのですが、詰まるところ一番重要なのはメモの書き方ではなく、その姿勢だということです。
そうだよね…!
まずは姿勢が大事だよね!!
ということで、普段は読書時にメモを取らない私も、早速メモ書きしながら本書を読み進めてみました。
実際にメモし続けていくことで気づいたこと
第一章では、「メモによって鍛えられる5つのスキル」として、以下が挙げられています。
①アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)
引用元:前田裕二『メモの魔力』(幻冬舎)
②情報を「素通り」しなくなる(情報獲得の伝導率向上)
③相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)
④話の骨組みがわかるようになる(構造化能力の向上)
⑤曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)
これら5つのスキルは、私にとってかなり共感できる点が多かったです。実は、学生時代の私はかなりのメモ魔でして、「授業中の先生の言葉一つ一つ、すべてを書き取るぞ!」くらいの気持ちで日々を過ごしていました。このことが大学受験での成果にも多少の影響を与えたように思います。
とにかくメモすることで、②情報を素通りしない習慣が身につきましたし、④話の骨組みを掴む能力にが伸びました。それから十数年…。めっきりメモの習慣が失われてしまった私は、残念ながらこれらの能力が大幅に落ちていたのです…。
先ほど述べたとおり、今回メモをとりながらこの「メモの魔力」を読んだところ、2点、発見がありました。
自分のメモの癖への気付き
まず一つ目の発見として、自分がどのようなメモの取り方をするか、その癖に気付きを得ました。
私の場合、著者の推奨する書き方(「ファクト(事実)」を左側に書き、これを「抽象化」して自分のアクションにどう「転用」するかを書く)はちょっとハードルが高そうだったのですが、「ファクト」と自分の思考・発想をごちゃ混ぜにしてメモをとる形であれば、まったく無理なく自然に実践できることに気づきました。
これは形式だったメモのとり方ではないけれども、一通り書き終わった後に読み返し、下線や丸囲みなどペンで色分けしてあげれば、復習にもなるし頭の整理にもなるのではと考えたのです。
「メモは姿勢」です。このやり方なら、私も無理なくメモの習慣を身につけられそうだと発見しました。
脳の活性化を実感
次に、自分の思考を言語化する際に脳が活性化されている実感がありました。これは、先ほどのスキル⑤「曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)」を体感できたということです。
私は電車での移動時など場所・時間が制限された場で読書をする事が多く、今回読んだ『メモの魔力』もその限りではありませんでした。したがって、できるだけ短い言葉で、自分の思っていることを適切な表現でメモに残す必要があったのです。
自分の脳味噌をフル回転させて言葉を探す感覚です。これは、親しい友人とリラックスした場で会話するときの言葉の使い方とは全く異なります。はっきりと明文化することが自分の思考を明晰にしていくのです。
本書では「標語力」というキーワードが出てきます。的確で記憶に残る見出しを付けることができる人は、語彙が豊富で言語化に長けた「要約力」があると言い換えることができるでしょう。仕事でも、優秀な人が送信するメールの件名は内容がギュッと凝縮されていて、中身を見ずとも概要が知れるというのと同じだと思います。
言語化スキルがもたらすもの
第四章では、メモによる夢の現実化が語られています。
こうした、夢への思考を深めていけるのも、具体的な「言葉」があるからです。ふんわりとしてつかみどころのない願いを持っているだけでは、よほどの強運がない限り、夢は自分から近づいてきません。言語化の課程で、抽象的な夢を具現化したり、また抽象化してみたりして、自分の夢にまつわる言葉群があらゆる抽象度でどんどん磨かれていく。こうした、思考することができる言葉を携えておくことによって、考えるきっかけが、時間が、マインドシェアが増え、夢が現実のものとなりやすくなるのです。
引用元:前田裕二『メモの魔力』(幻冬舎)
この機会に、自分が就職活動の際に使用していた振り返りノートを読み直してみました。ページ数は少なかったのですが、大学1年生から2年生のあいだの2年間について、1ヶ月単位で当時の出来事を振り返り、その1ヶ月のあいだに起きた出来事や感じたこと、自分が取り組んだことが書かれていました。
社会人になって数年が経ち、このノートの存在もすっかり忘れていたのですが、当時の私は自己分析にしっかり取り組み、悩み、真剣に自分の未来を考えていたことが分かりました。そして、大学4年生になる前に現在勤めている会社から内々定をいただいたのでした。
いま私が本書を読んで取り組み始めているのは、今後の自分の未来に向けて夢の明文化、小タスクの洗い出し、そして自分の人生の道筋を具体的にイメージできるようにするノートの作成です。自分の人生をメモで切り開いていく。あらためて大切なことを思い出させてくれた良書でした。
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最後までお読みいただき有り難うございました!
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