【書評】それって本当に必要?自分らしい人生を歩むために「しないことリスト」を読む

【書評】pha『しないことリスト』(大和書房) 書評

私たちは日々何かに追われています。たとえば、

「転職するにはもっと価値のある資格をとらないと…」
「勉強しないと昇進が難しい…」
「そろそろ家を買わないとヤバい…」
「健康のために食事を運動に気を付けなければ…」
「これからの時代、英語ができないとマズい…」

この中に、心当たりのある呟きはありましたか?

今回ご紹介する『しないことリスト』(大和書房)は、そんな方にオススメの一冊です。上記のような「しなきゃいけないこと」が本当に自分にとって必要なことなのか、自身の価値観を点検していきましょう。

本書に掲載された36個もの「しないことリスト」のうち、いくつか心に響くものがあるはず。本記事では、その一部をご紹介します!

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こんな方にオススメ

  • やらなきゃいけないことが多すぎる
  • 時間がなくてやらなきゃいけないことが終わらない
  • 皆みたいに頑張れない
  • 将来が不安だ

本書の著者と構成

著者はpha氏!

pha氏は、1978年生まれ。京都大学総合人間学部を24歳で卒業し、その後就職したものの約3年間の社内ニートを経て会社を辞めた方です。日本で最も有名なニートのうちの1人といえるでしょう。

以前、私は『ニートの歩き方』(技術評論社)という書籍を読み、初めて著者のpha氏のことを知りました。その思考法や空気感になんだか惹かれてしまい、今回ご紹介する『しないことリスト』(大和書房)を手に取ってみることにしたのです。

本書の構成

本書は、いわゆる「しなきゃいけないこと」の99%は「本当は別にしなくてもいいこと」だと捉え、少し力を抜いてラクに生きていけるようにするための本です。

はじめに
第1章 環境をスッキリさせる 所有しないリスト
第2章 行動をラクにする 努力しないリスト
第3章 意識をラクにする 自分のせいにしないリスト
第4章 人生をラクにする 期待しないリスト
おわりに

本記事では、第1章と第2章の一部をご紹介します。

第1章 所有しないリスト

断捨離を行っている方にとっては当たり前の話かもしれないのですが、使わないモノを物理的に持ち続けていてもあまり意味がありません。家賃やローン代という場所代がかかりますし、多くのものを管理するための維持コストも発生します。

この章のタイトルは「所有しない」とあるので、掃除や捨てるべきモノについて細かく説明されているかのような印象を与えますが、どちらかというと「所有しない」人の思考法が紹介されている、というのが正しいです。

たとえば、次のような感じです。

 ヨガをやっている知人が、「息を深く吸い込むコツは、いったん限界まで息を吐き切ること」と言っていた。何かを得ようとするなら、今持っているものを捨てるといい。空いたスペースがあれば、そのうち自然と新しいものがそこに入ってくるものだ。
 新しいものを手に入れるために、古いものをどんどん手放していこう。

引用元:pha『しないことリスト』(大和書房)

この例えに、私はすごく腹落ちしたのです。

わたし
わたし

そうか、スペースを空けてからじゃないと新しいものが入ってこないんだ!

他にも、「独占しない」という項目では、日記や家を自分だけで閉じたものにするのではなく、ゆるく外に開いておくことが大事(ブログやシェアハウスなど)としたうえで、次のように語ります。

 僕はもう15年ブログを書き続けていて8年シェアハウスに住んでいるんだけど、そんなに長期間続けられているのは、「自分のやりたいことを無理のないペースでやる」というスタンスを基本的に守っているからだ。「お金を稼ぐため」とか「社会の役に立つため」とかそんな動機だと多分1年くらいでしんどくなって辞めていただろう。
 どんなジャンルでも基本的に何かを長く続けている人はみんなそういうところがあるはずだ。
 社会の役に立つボランティアとかをやっている人も、本当に「社会のため」や「困っている誰かのため」だけでやってるわけじゃなくて、「仲間に会えるのが楽しい」とか「家の居心地が悪いから家にいたくない」とかそうした俗っぽい動機でやっている部分がある。
 何でも崇高な理念だけじゃ長くは続かないものだから、そんな感じでいいのだ。

引用元:pha『しないことリスト』(大和書房)

ブログについても、「収益化しなければ…」とか「世の中を良くしなければ…」という「しなきゃいけない」行為からの卒業を促してくれます。

第2章 努力しないリスト

第2章では、「怠惰は美徳である」として次の言葉が紹介されていました。

 また、ハンマーシュタインという昔のドイツの軍人の言葉にこんなものがある。

「有能な怠け者は指揮官にせよ。有能な働き者は参謀にせよ。
 無能な怠け者にはルーチンワークをやらせろ。無能な働き者には一切責任を与えるな」

 面白いのは、有能な働き者よりも有能な怠け者のほうが指揮官によいというところだ。怠け者ほど他人に仕事を任せたりとか、些細なことを気にせずに大きな決断をすることができるから、上に立つ人間として向いているということだ。
 逆に一番よくないのは無能な働き者で、無能な怠け者よりも悪いとされている。無能な働き者がなぜ悪いかというと、別に何もせずにじっとしていいときでも、やらなくていい余計なことをして事態を悪化させてしまうからだ。
 働き者というのは、いつも勤勉に働いて偉いように見えるけど、「実はじっとしているのが苦手だから常に何かをしている」というだけだったりする。
 「家に帰りたくないから残業してる」とか「やることがないから休みの日も仕事してる」みたいな感じだ。

引用元:pha『しないことリスト』(大和書房)

これも分かりやすい例えです。冒頭の「無能な働き者には一切責任を与えるな」という言葉を読んだときはピンとこなかったのですが、そういえば会社にこういう人がいるな…なーんて思い至る点があったり。

一般的には、努力することは素晴らしいこと、美しいことと捉えられていますが、イノベーションとは努力しなければならないことを少なくして何かを成し遂げることができる状況を生み出すことなのだと思います。

  • 配付資料を手書きで作成するのではなく、プリンターで作成する。
  • 大量の書類をラベリングして整理・保管するのではなく、スキャナで読み込み検索性能を高める。
  • 重たい電話を肩に掛けて持ち歩くのでなく、ポケットサイズのスマホを持ち歩く。

努力せずに生活することを常に考えている怠け者こそが、世界を豊かにしてくれるのかもしれませんね。

関連書籍

  • pha『ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』(技術評論社):日本一有名なニートとなった、京都大学出身phaさんの記念すべき1冊目。働きたくない、だるい、などなどニートならではの言葉が多いですが、内容は結構哲学的で考えさせられます。(読書紹介も充実!)私たちはなぜ働くのか。理由がなければ休むことは許されないのか。ニートが認められない世の中だからこそ過労死が起きるのではないか。ここ数年の働き方改革の動きやコロナ禍における転換から、もっと自由な生き方が世の中に浸透していけばよいなと思います。

  • 聖学院大学ボランティア活動支援センター(編集)『共に育つ“学生×大学×地域”――人生に響くボランティアコーディネーション』(聖学院大学出版会):本記事で引用したとおり、ボランティア活動をはじめたきっかけが「社会貢献」という割合は意外と低いです。記事を書きましたので、宜しければお読みください。

  • 久世芽亜里『コンビニは通える引きこもりたち』(新潮社):家やブログをゆるく開いておく、という点は、ひきこもり支援の考え方に通ずる点がありそうです。記事を書きましたので、宜しければお読みください。

最後までお読みいただき有り難うございました!


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