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【書評】気になる女性の定年後!「定年女子」を読む

【書評】岸本裕紀子『定年女子 これからの仕事、生活、やりたいこと』(集英社) 書評

日本には今後、深刻な人口減少社会が到来する、と言われるようになりました。少子高齢化による健康保険制度の存続危機、労働力減少の社会的課題などなど…。

今回紹介するのは、女性のリタイア後の生き方について、ヒントを示す一冊です。現代では女性が定年まで働くことは珍しくありません。現役世代は自身の将来を想像しつつお読みください。

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現代のリタイア世代の女性の特徴

2018年の60代以上の女性達は、男女雇用機会均等法の成立やバブル崩壊、長引く不況という時代を生きてきた世代でした。日本の企業社会の歴史において過渡期とも言える変化の時代です。それもあってか、古き良き世代の伝統と新しい技術を取り入れる柔軟さを併せ持っているようです。

パソコンはギリギリセーフで使える世代だし、SNSにも積極的であるが、一方で、手書きで手紙やカードを書いたり、長電話で話したりすることも大好きな世代だ。

引用元:岸本裕紀子『定年女子 これからの仕事、生活、やりたいこと』(集英社)

「働く」ということについての男女の違い

『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(中央公論新社)によれば、男性はリタイア後に名刺が無いという事実が喪失感を生むようですが、女性の場合はそうではないようです。働く女性の一人として、私もその通りだと思います。

家事や子育て、介護、ときに習い事を含む生活は、女性の人生にとって大きな比重を占めていることが多く、もともと会社一辺倒とはなりにくいと思うのです。(勿論、仕事に熱く「会社人間」とも呼べる人生を歩む方もいますし、これを否定するつもりはありません。)

また、女性はファッションなどと深く結び付く働き方をしているとのこと。これもすごくよく分かります。

おしゃれのしかたも、ワードローブも、ヘアスタイルやメイクも、もっといえば、やりがいや緊張感や達成感も、小さなストレスも、人間関係も、飲み会も、日常のあらゆることが仕事に直結していたのである。

引用元:岸本裕紀子『定年女子 これからの仕事、生活、やりたいこと』(集英社)

女性は男性よりもドレスコードの選択の余地が大きい故に、日々身なりに意識が向かうのでしょう。制服が貸与されていても、髪型、アクセサリー、メイク用品などやはり工夫する観点は幅広いです。

リタイア後の女性は活動的である

具体例は本書をお読みください。実際、私の周りの60~90代女性を見ていても、皆さん非常にアクティブで、学ぶところが多いです。奥様はお出掛け、旦那様はお留守番という、現役時代の逆転現象もしばしば耳にします。

なにより、この本の装丁が綺麗なピンクの薔薇、題名に「女子」と名付けていることからも明らかでしょう。女はいくつになっても女子なのよ。

『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社)に詳細は譲りますが、最初に触れた少子高齢化の影響もあり、今後独り暮しの高齢女性が増えていきます。リタイア=老後ではありません。人生を楽しむ有意義な時間と捉えると、とっても素敵ですね。

関連書籍

  • 楠木新『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(中央公論新社):著者の実体験も踏まえ、男性の定年後を語った書。

  • 河合雅司『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社):将来の日本の社会的課題を具体的な年表に落とし込んだ書籍。

最後まで読んでいただき有難うございました!


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