皆さんは現在、働いていますか?今回ご紹介する本は、「働く」ということについてさまざまな観点から考えを深める良書です。
試し読みできます!
学研プラスさんの特設ページから、1章のマンガを全ページ読むことができます。図解ページもお試しで数ページ分読めます。雰囲気を知りたい方は是非ご覧ください。
こんな方にオススメ
- 将来、自分が働く姿があまり想像できない小学生・中学生
- 「働く」ということに不安を持つ就職活動中の方
- 社会人と働き始めて間もない方
- 現在の仕事に疑問を持ち転職活動中の方
働くということについて包括的に考える
今回ご紹介する本は、その名も「なぜ僕らは働くのか」。
このシンプルなタイトルが本書が伝えたいメッセージをよく表しています。この記事に行き着いた方の多くは、おそらくこれまでにこんな疑問や感想を抱いたことがあるのではないでしょうか。
- 大人になったら働かなきゃいけないの?
- 働くのって大変?どんな仕事があるの?
- 自分にぴったりの仕事をどうやって見つけたらいいか分からないよ。
- 少しづつ仕事を覚えてきて自分の成長を感じる。
- 仕事がツラくてしんどい。早く辞めたい。
子どもの頃は自分の将来が想像できなくて困り、仕事を選ぶ時期になっても自分の決断に自信が持てなくて悩む。私はそんな学生時代を送りました。
仕事を始めてからは、業務内容に慣れて嬉しい瞬間もあったし、責任感に押しつぶされそうになった日々もあって、「働く」ということのポジティブな面とネガティブな面の両方を知ってきたつもりです。
ところが最近、また「働く」ということの意味が分からなくなって、
仕事を辞めたいな…
という気持ちが芽生えてきたのです。でも、いざ転職!となると自分の持ち味もよく分からなくって…そんなときに手に取ったのが本書です。
本書はもともと小中学生向けに製作された本で、マンガの登場人物とともに「働く」ということを考えていく本です。全編ふりがな付きでイラストも豊富、かつ難しい表現もありませんので、とっても読みやすい。
しかも、監修はあの池上彰さんなので、書かれている内容はきちんと精査されたもの。大人が読むにも申し分ないというところが誰にもオススメできる最大のポイントです。
良い生き方・働き方ができる人は、いい偶然を自分の力でつかめる
たとえば、キャリア理論に関する勉強をしたことがある方にはお馴染みの、「計画された偶発性理論」が簡単な言葉で解説されています。この理論はアメリカのスタンフォード大学のクランボルツ氏によって提唱されたもので、ざっくり言うと次のとおり。
この理論をすごく簡単に言うと、「良い生き方・働き方ができる人は、いい偶然を自分の力でつかめる」ということです。そしてクランボルツ教授は、そんな人になるために大事な行動の要素が5つあると説明しました。
引用元:池上彰(監修)、佳奈(漫画)、モドロカ(画)『なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』(学研プラス)
この5つの要素とは、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」。
こうした言葉はどこか抽象的なイメージがありますが、これらについてイラスト付きで具体例が描かれており、誰でも容易に想像できるように配慮がされています。出版社は学研ですので、子ども向けに分かりやすく説明することに長けているのかもしれませんね。
コミュニケーション能力ってなんだろう?
また、ときに誤解がある「コミュニケーション能力」の本質についても、本書の一節に登場します。
では、コミュニケーション能力の高い人とは、どんな人のことをいうのでしょう? 友だちが多い人? 人を笑わせるのが上手な人? 空気を読むのがうまい人? どれも合っているような気がしますが、どれも少し違う気もします。
引用元:池上彰(監修)、佳奈(漫画)、モドロカ(画)『なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』(学研プラス)
私が学生時代にイメージしていた「コミュニケーション能力」は、「人見知りせず誰とでも仲良くなることができる」とか、「飲み会をうまく盛り上げることができる」だったように思います。
しかし、10年以上社会人として働いてきて思うのは、これらの定義はまったく誤りであるということです。本書でも同様の見解を出しており、コミュニケーション上手な人の特長をいろいろ具体的に示しています。私には共感できる点がとても多かったです。
また、令和の時代ならではの「SNS時代の自己表現方法」というコーナーも。ほかにも、AIや人生100年時代に関する話題なども本書には盛り込まれており、時代に適した一冊ではと思います。
関連書籍
- 池上彰『なぜ、読解力が必要なのか? 社会に出るあなたに伝えたい』(講談社):SNSが身近な存在となった現代、コミュニケーションの取り方もずいぶん変わりました。日本人の読解力低下を憂う声も多く、コミュニケーション能力について考えさせられる本です。本サイトでも別記事で紹介していますので、宜しければ併せてご参照ください。
- 池上彰、ふじわらかずえ『池上彰のはじめてのお金の教科書』(幻冬舎):池上さんが小学生向けに行った講座をもとにして作成されているようです。池上さんならではの分かりやすい説明で、子どもにも大人にも理解しやすいお金の入門書といえるでしょう。
最後までお読みいただき有り難うございました!
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