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【書評】日本一感動する講演を書籍化!「NASAより宇宙に近い町工場」を読む

【書評】植松努『NASAより宇宙に近い町工場 僕らのロケットが飛んだ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) 書評

このところ季節の変化についていけず、動きが鈍くなりがちですね。

今日は、そんな私にも活気と勇気を与えてくれた植松努氏の書籍をご紹介します。

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植松氏の熱い想い

著者の植松氏は20名ほどの小さな会社の経営者ですが、TEDでのスピーチが話題を呼び、一躍有名となりました。

ご存じの方も多いのではないでしょうか?

私自身は、Financial Academy主催「お金の教養フェスティバル2017」で実際に講演を拝聴し、淡々としつつも熱い想いに大いに感激したことを覚えております。

植松氏は、「どーせ無理」と限界への挑戦を諦めがちな風潮に対して警鐘を鳴らし、大人が子どもへ努力の大切さを語ることが大事だと指摘します。子どもを大切にしているからか、シンプルで噛み砕いた表現が全編とおして素晴らしい。

楽をしてボーッとしていてはいけません。苦労する中、努力する中に「面白い」と思うところを見つける、すなわち楽しむのです。「楽」と「楽しむ」、同じ漢字を書きますが、意味が全然違います。楽をしてはいけないんです。楽しむんです。


引用元:植松努『NASAより宇宙に近い町工場 僕らのロケットが飛んだ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

たとえばこの表現、すごくわかりやすい。子どもがすっと呑み込むことができる文章というのは、大人にとっても浸み込むものです。

モノづくりの原点は読書

植松氏は大変な読書家で、図書館や本屋でたくさんの本に出会い、興味を持った分野の知識を吸収します。

ばあちゃんが本が大事だと教えてくれたので、僕は本屋に入りびたるようになり、ある本を見つけてしまいます。『よく飛ぶ紙飛行機集』(二宮康明著、誠文堂新光社)という本です。

引用元:植松努『NASAより宇宙に近い町工場 僕らのロケットが飛んだ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

植松氏はこの本を読み込み、紙飛行機をより遠くへ飛ばせる方法に夢中になり、電卓を駆使してなんと複雑な計算式も解いてしまうようになりました。この時点で、大人顔負けの知識を身に着けていらっしゃったのではと思います。

のちにNASAも一目置く会社を経営する片鱗がここにありますが、学校では紙飛行機の作り方はテストに出ないので、成績は惨憺たるものでした。そして、日本における学歴社会が植松氏の進路相談の際に夢を潰そうとします。

その先生は「飛行機やロケットの仕事をするためには東大に入らなければいけない。おまえの頭では入れるわけがない。芦別という町から東大へ行った人間は一人もいない。そんなバカなことを考えてる暇があったら、芦別高校に行くのか、芦別工業高校に行くのかをよく考えて選べ」と言うんです。そして、「おまえの頭では芦別工業高校しか行けないだろう」というおまけまでつけてくれました。

引用元:植松努『NASAより宇宙に近い町工場 僕らのロケットが飛んだ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

最近ではここまでストレートな否定はあまりしないかもしれません。が、生徒の実力に見合った進路を提示しようとする先生の気持ちも正直なところ、理解できます。しかし、植松氏は夢をあきらめずに、自分で飛行機の勉強をすることを決意しました。周りの言葉に挫けずに夢のために勉強し続ける姿は、「好きこそものの上手なれ」という言葉を思い出させてくれます。

会社を経営するということ

企業の経営方針についての指摘は、多くの会社員が働く理由について再度考え直すきっかけを与えてくれます。

「消費者迎合」を「顧客満足」と勘違いしている企業がたくさんあります。でも、これは顧客満足ではありません。顧客満足というものは、お客さんを「いやあ、すごいな」とうならせることにあります。お客さんをさらに成長させることにあります。お客さんをチヤホヤすることは、お客さんの能力を低下させます。

引用元:植松努『NASAより宇宙に近い町工場 僕らのロケットが飛んだ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

ただ価格が安い商品を作るだけではダメなのですね。品質の高さを感じさせるモノこそ、世の中をよりよくするのでしょう。

関連書籍

  • 植松努『好奇心を“天職"に変える空想教室』(サンクチュアリ出版):同じく植松氏の書籍。こちらも読みやすいです。

最後まで読んでいただき有難うございました!


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